仙台高等裁判所 昭和25年(う)16号 判決 1950年5月22日
以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。
判決要旨
刑法第一九〇条の遺棄罪は人の形態を備えた死屍を放置するによつて成立するので瀕死の重傷を与えられ仮死状態となつている者を森林内に放置して死亡するに至らしめても本罪は成立しない。
理由
刑法第百九十条の遺棄罪は人の形体を備えた死屍を放置するによつて成立するものであるところ本件は未だ死体とならない換言すれば瀕死の重傷を与えられて仮死状態になつている遠藤忠助を北会津郡東山村院内愛宕神社境内参道南側雑木林の中に運び込み放置して死亡するに至らしめたというのであつて死体遺棄罪を構成する限りでない。